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宮沢章夫: 東京大学「ノイズ文化論」講義
多様性の保全(なんじゃそりゃ)
ぼくもノイズの一つなんだろう。 (***)
文:岩崎るりは 写真:古瀬 惠一: 猫のさとり―深訳DNA世界の般若心経
なるほど、ネコはすでに悟っている。だからネコを撫でると気分が良いのだね。ネコ好きのあのひとは、ネコと暮らすことできっと毎日良い気分になっているのでしょう。般若心経の解説つき。そうとも、それでも私は生きていくし、そして恐れることもないのだね。 (****)
宮本 常一: 忘れられた日本人
忘れ去られ、しかもすっかりいなくなっちゃった日本人から直接聞いて書かれています。ずしりと重い感じがします。第一章の対馬のはなし、村の寄り合いは、全員が納得のいくまで、反対の人が納得いくまで何日もかけてぶっとおしで行われる、というところに、静かに激しく感動しました。多数決の民主主義って、ホントは違う、って気が付いた。多数決ってのは、やっぱ時は金なり=効率性からきてんでしょうね。金科玉条のごとくそれを信じて、ワタクシ達って…。 (*****)
小林 信也: 古伝空手の発想 身体で感じ、「身体脳」で生きる
沖縄古伝空手発祥時の経緯と理念がスゴイ。エライ。かくありたい。
それを現代に伝えている宇城師範もスゴイひとである。
現代社会の常識とか習慣とか価値観というのは、どんどん人間をスポイルしていく。著者はこの武術に出合って、パラダイムシフトし得た。
宇城師範曰く、「広めるのではなく、深める」という言葉は身にしみた。 (****)
橋本 治: 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない
タイトルがたまらなくステキ!なので読んでみました。
エコノミストにとって世界経済は決して破綻しない、とか経済はただ循環することである、とか世間では我慢が足りなくなった、とかいうところは激しく納得。
地域通貨研究会の皆にもオススメ。
世のオヤジたちにもオススメ。
社長のお下がりのビジネス書を読むのに手一杯の友人T氏にもオススメ。 (**)
パオロ・マッツァリーノ: 反社会学講座
痛快!あさはかなるワタクシのイキザマを肯定してくれているような、あたたかく見守ってくれているような。
若干納得できんところもあった。すると私は若干、悪しき社会学に踊らされてるってことですな。あはは。 (***)
高桑 信一: 古道巡礼
現代を生きるワタクシタチが便利さと引き換えにおいてきてしまったものは、計り知れないほど大きい。ワタクシタチは便利さを手に入れたが、イキジカラ(生きる力)を減らしてしまっている。
道はすなわち生きるためにつけられた。
本を読んで、すぐに「行って見たい」と思ったけれど、僕にはこのような道を歩く技術も経験も無い。嗚呼。
(***)
中沢 新一: 僕の叔父さん網野善彦
鍬など農具のことや蝦夷のことを調べていると、網野善彦さんの著作や監修本に行き当たる。中沢新一さんの「おじちゃん」だったとは。
中沢氏と中沢氏のお父さんと網野さんで、密造葡萄酒を酌み交わしながらの白熱の議論の様子は、ほほえましくもたいへん鋭い。まったく鋭い人たちである。
そしてこんな身内でこんな議論ができるなんてすごい。
述べられていることは、個人的に非常にタメになった。
(*****)
関 和彦: 古代農民忍羽を訪ねて―奈良時代東国人の暮らしと社会
一体全体、変な本。小説でもないし、研究の発表のための本でもなし。不思議な読後感。著者は歴史学の先生だから史料を読み解釈するのが専門。で、歴史学や考古学などの研究成果を踏まえて、読者を「観念体験」の世界へいざなう。古代農民忍羽(おしは)との対話を通して、学者の観点、またはその立ち位置に疑問を投げかけている。
私は本書カバー扉の「フーテンの寅さんの葛飾柴又は、奈良時代は下総国葛飾郡大嶋郷嶋俣里に属した」という書き出しに興味を引かれて手に取る。面白かった。 (***)
秋庭 俊: 帝都東京・地下の謎86
おお、初めて写真がついたぞえ :-)
秋庭 俊氏の地下本4冊目。最初の本「帝都東京・隠された地下網の秘密」の衝撃が大きかったので、作を重ねるにつれインパクトが少なくなっていく感がある。今作には新たなる地下の名所=ナゾがいくつか追加されてる。 (*)
現代思想 (Vol.32-13)総特集チェ・ゲバラ
ゲバラってカッコいいなあ。と、ミーハーな私。しかし、難しいことばっか書いてある雑誌だな。そういえばモーターサイクル日記まだ全部読みきってないんだよなあ。でもさあ、ゲバラカッコいいなあ。 (**)