野菜の配達中の一こま。日立市のかみね公園の近くの駐車場で弁当を使っていると、一羽のハシボソカラスが私の車の直近にバサリと舞い降りた。
ぬ。おのれ。私の弁当を狙って居るな。と直感し急いで窓を閉めた。手動である。ノブを勢い良く廻したら、その手に弁当箱が当たって、少しこぼれてしまった。ぬう。おのれおのれ。このあたり、まるで樋口角兵衛のようである。
ま、角兵衛のことなぞどうでも良いのであるが、ハシボソのことである。
ハシボソは、私の車の周りをほっつき歩き、時折私の顔を見るのである。目が合うのである。
良く見ると、つぶらな瞳をしていて中々愛嬌のある顔つきをしている。ちょっと首を傾げるような仕草なぞは、可愛ささえ感じるほどである。そうか、そうやってほだされて、飯粒なぞを放る輩もいるやも知れぬ。そうしてハシボソは学習したのであろう。車ん中で飯食ってる人間のまわりでちょっとうろうろして小首を傾げたりするとと食料にありつける、ということを。
そうこうしてるうちに飯を食い終わったので、改めてじっくり観察することにした。
私がデジカメを取り出すと、1メートルぐらい跳びずさり、顔を向こうに向けて、頭を低くし、何か有ったらすぐに飛び立てるような姿勢をとった。バカめ、何も危害を加える気はないぞよ。ハシボソはすぐに警戒するのをやめ、また近寄ってきた。人間になれているのであろう。なかなか面白い時間を過ごせた。
何枚か写真をとっているうちに、ハシボソの奴めは、「こやつはケチな人間である」と鋭くワタクシの本性を看破し、得るものは無しとばかり悠々と飛び去っていきやがったのである。
ぬう。ハシボソは得るものは無かったかもしれないが、私はハシボソの行動を観察できて面白かった。
ハシボソには飯を分けてやらんかった。本性を見破られたから言うわけではないが、カラスに余りうまいものを与えるのはどうかとおもう。本来カラスは野にあって掃除屋さんであるべきなのだ。最近は街に飛来し、人間が捨てた残飯をあさり、ゴミ捨て場のあたりを散らかすので、みんなに迷惑がられている。残飯があまりにも滋養に富みそしてうまいので、本来のそういう掃除仕事をなかなかしなくなったのではないか。ちょうど最近の猫が鼠をとらなくなったように。--kata
こけ様、コメントありがとうござりまする。
もしかしたら、ミヤマカラスかもしれません。
カラスもいろいろありますな。--kata
投稿情報: 片貝 | 2005-05-21 22:06
kataさんとハシボソ(この名前は初耳でした)さんの、じりじりとした間合いが伝わってきました。すごくおもしろいです!
投稿情報: こけ | 2005-05-20 20:20