リンク: 邦楽ジョッキー.
金曜日の野菜の配達のときは、車中で欠かさず聴いている。この番組は、親しみやすく、深く、そして渋い。実にワタクシ好みのたいへん素晴らしき番組である。NHKの千葉とか宇都宮とか埼玉とかの番組の構成担当者はFMの11時台の構成を考え直すべきである。なぜなら、こんな素晴らしき番組を切り捨てにしてるからである。NHKよ、より多くの人たちに聴く機会を与えずして、どうするのだ。
いやそれともNHKは、聴こうと思っても中々聴けない、「知る人ぞ知る」的な、或いは「隠しキャラ」的な番組というような評価でも狙って居るのであろうか?
少なくとも、関東平野の北のほう、茨城県の南西部では、この番組を受信できるのは水戸のNHKの電波のみである。この水戸の電波は筑波山の隣の加波山という山のてっぺんにあるアンテナから発信しているのである。むかし、FMの電波は見通しが利くところまでしか届かないっていうふうに習った覚えがある。下館市とか下妻市あたりは良く聞こえるのだが、つくば市から守谷取手龍ヶ崎方面は受信状態が非常にわるい。加波山の電波は出力が弱い上に筑波山が衝立になってしまって、つくば市以南では塩梅が悪いのである。他の番組ならば、ためらわずに千葉局の電波を選択するのだが、ワタクシは「ひるどき情報千葉」などではなく、「邦楽ジョッキー」を聴きたいのである。であるからして、ラジオのチューニングはそのままに、時折ガアガアとノイズの乗る加波山からの電波を聴き続ける他無いのである。
ワタクシがそこまでして聴きたがる邦楽ジョッキーなる番組は如何様な番組なのであろうか。 歌舞伎俳優の市川えみさぶろう氏がDJをやっている。 ラジオを聞いた上での印象であるが、この人は非常に真面目な人である。 歌舞伎俳優としての日々の修行の賜物なのであろうが、日本語が素晴らしい。 番組作りにも積極的に参加している様子。いろいろと新機軸を打ち出してくる。 ゲストとのやり取りでは、相手から非常に深遠な話を引き出すのが上手である。 仲間の歌舞伎俳優がゲストで出てきたときはあまり面白くない。等々である。
特に、5月13日にやった「昔話今様歌舞伎 甲斐善光寺棟木由来」は素晴らしかった。 心が打ち震えた。舞台とは違うラジオで音声だけというフォーマットなのにこれだけ泣かせてしまうというワザは流石である。本当の「芸」とか「芸能」というのはこういうのを言うのであろう。 こんないい番組が、編成上の都合で多くの人に聴かれてないのは大いなる損失である、と考え、ここに記した次第なのである。--kata
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