7月28日。例の桑の実の畑で目撃。アシナガバチの幼虫(サナギかも知れぬ)をバリバリと摂食する恐るべしススメバチ、の図。蜂が小っこく写ってんのとピンボケまたは手ぶれ(ストロボ焚いたのに!)なのは、ちとビビリが入っていたからであるからして許されたし。あな恐ろしや!そして哀れなり!観察してる間ずっと頭のなかでバーバーのアダージョが響き渡って、もうそれだけで涙がでるよな感じである。そう、この曲は映画「プラトーン」でエリアス軍曹が北ベトナム軍に包囲されて撃たれてしまうスローモーションなシーンで鳴っていたあの音楽である。
隣の畑との境界のお茶の木にアシナガバチが巣をかけていたのは以前から気が付いていた。アシナガバチは巣を棒などで突っつかぬ限り攻撃してこないと聞いていたので、そっとしておいたのだ。
作業の手を休め、ふと見るとアシナガバチの巣にスズメバチが止まっているではないか。アシナガの巣だと思っていたのはズズメバチの巣だったのか!スズメバチはイヤだなあ。と思ってよく見ると、やっぱりアシナガバチは居た。巣の上部に退避していたのである。
スズメバチは後ろ足で巣に捕まりながら、逆さになって両の前足でアシナガの幼虫を上手に掴み、それを強力なアゴでバリバリと噛み砕いている。
退避しているように見えるそのうち1匹はサナギから羽化したばかりのようで、妙に顔が白い。身体を乾かそうとしていたのだろうか。
人の家に勝手に上がりこんで我が物顔のスズメバチ。しかもその家のまだ成人前の娘だか息子をバリバリと座りしままに喰らって居やがるのである!なんということであろうか!そして家人は抵抗もせずにされるがままにその様子をながめているのである。嗚呼なんということよ!
(ここで件のバーバーのアダージョ、音量が上がる)
弱肉強食。食物連鎖のヒエラルキー。生態系。多様性の世界。これらの法で云えばこの惨劇はあたりまえのことなのであるがしかしなにか釈然としない。やられるばかりのアシナガに加勢したくなる衝動を押さえるのに苦労した。摂食行動中のスズメバチを一撃の元に滅却せしむ得物は何かなかったか。ゴムパチンコをこしらえようか。しかし仕損じたら事であるな。こやつに刺されたら痛いだけじゃ済まぬことよ。……などと考える間に、にっくきスズメバチはアシナガの幼虫一匹をゆうゆうと喰い終り、二匹目に手を出すかと思いきや、ぶぃーんと大きな羽音を立てて飛び去っていったのであった。
(バーバーのアダージョはここで終わり。次の曲、ニール・ヤング「コルテス・ザ・キラー」が掛かりはじめる)
なんともはや。腹いっぱいになったら無暗に殺生はせぬ、ということか。そして腹がへったら、またやってくるのであろうか。大きな羽音をたてて奴がやってくる。空を飛んで奴が来るスズメバチ・ザ・キラー。アシナガ一家は生き延びることができるのであるか。今後の観察とその報告を待つのである!(自分で ;-)
--kata
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