さて、件の「また当日かよ!整備スクワット」を経て、午後1時過ぎに、漸く出発であった。
前回のツーリングの帰りに満タンにしてあったので、2ヶ月越しのガソリンである。いくらか揮発した成分があるであろう。オクタン価が低くなってやしないであろうか。高回転域で早期着火など起こしやしないか、心配を賞味5秒間くらいして、まいっか、と納得してセルフスタータボタンを押したのであった。
今回のツーリングの目的は前に書いたとおりである。
茨城県の谷田部から福島県の小浜まで、こういうところで検索すると、約10時間くらいかかるということである。
10時間もバイクにぶっ続けで乗るなんて、ヘタレなワタクシには到底出来ない。
だから途中で一泊である。
途中泊として、本日の目標は魚津である。
常磐道→関越道→上信越→北陸道という極一般的なルートで行くことにする。
なんと朔月号で高速道路を行くのは今回がはじめてなのである!
昨年の10月に朔月号を手に入れて以来、重たいクラッチを操作しながら下道ばかり走行していたのは、今回の為に、あえて、高速走行をとっておいたのである!ということにしておこう。
さておき、実は、今回のツーリングの構想段階では、魚津は二次目標なのであった。
魚津には片貝谷という谷があって、そこには片貝川という川が流れ、片貝地区というのがあり、片貝郵便局、片貝公民館、片貝小学校、そして発電所があるのである。
5年以上前に、一度訪れた。
そのときは、なにか通り過ぎただけ、という印象があるので、今回はもう少し探索したいのである。地元の人とも会話したい。
ということで、ワタクシは高速道路上のヒトとなったのであった。
プロペラ印で有名な独逸国の某B社の製作であるところの、件の朔月号(K100RS)である。個体差なのかどうなのか知らないが朔月号やたらと振動が多い。ヘタをすると単気筒であるところの三日月号よっか振動が多い気がする。朔月号は四気筒である。普通、四気筒というと単気筒より振動は大変少ないものである。どこか壊れているのであろうかと心配になる。インターネットを調べると、気筒間同調を取るとウソのように振動が少なくなった、あるいは、プラグを交換したら冗談のように振動が少なくなった、または、吸気系統のエアリークを修理すると馬鹿みたいに静かになった等々の記事を見つけることができる。気筒間同調はそのうちしてみるつもりである。
でもまあ、構わず回転をあげていくと、きっちり制限までの回転数まで動作するので、深刻な問題ではなさそうである。でもやはり、どこかに不具合があるのであれば、あまり高回転を維持するのはやばそうである。駄菓子菓子店。(だがしかし…)なにぶん古いバイクである。
というわけで、久しぶりにバイクで高速道路を走行したのであるが、しかし、なんとも昨今の自家用車の性能の高くなったことであることよ。
追い越し車線をみなさん百四十キロ/hくらいですっ飛ばしているのである。余計なお世話かもしれないが、その速度でその短い車間距離だと、何かあったとき危ないよ。
ところで、我が朔月号は熱のカタマリである。またぐらに火の玉を抱えて、(いやまたぐらは抱えないぞ)そのあついことといったらない。だいたいにおいてオートバイなぞは、走り出してしまえば、走行風によってまたぐらの熱は拡散し、熱さは和らぐものだが、朔月号においては拡散せずに我が身を焦がすのである。面白いのはまたぐらにあるコンパクトドライブシステム(某B社ではこのエンジンのことをそういうふうに云う)は速度が高くなるとそれに比例して熱くなる。出力の変化をまたぐらで感じるのである。カタログ値速度付近ではまたぐらの危険を感じるほどである。またぐらは危険かもしれないが、車体は何事もないふうで普通に走るのである。流石はアウトバーンの国のバイクである。また、風防の効果がすこぶる高いので、制限速度であっても熱くて暑くて本当にまいった。
そんなこんなで、灼熱の6時間を走りぬき、魚津に到着。さっさとビジネスホテルを見つけて投宿。受付の方の応対の仕方が素晴らしいので、感銘をうけた。また部屋の冷蔵庫にはヱビスが冷えていて、これまた泣きそうになるほどうまくて感銘を受けた。受付嬢の指示どおりに朔月号を駐車した。
玉砂利の上でも朔月号のセンタースタンドは安定しているのを見て感銘を受けた。
今日、3回目の休憩の時に気が付いたのだが、左手の指が痙攣し、小刻みに動く。左手の全部の指がケイレンして勝手に踊っている。なんだかかわいいカンジがして、しばらく見入ってしまった。
つづく--kata
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