この間、仕事でヤンマーのMK７管理機を動かすのでガソリンを買いにスタンドに寄ったのだ。
昭和シェル社のガソリンを売るセルフ式のスタンドだ。
この頃はガソリン携行缶に給油しないでくれという張り紙が張られているスタンドが多い。
イマイチその理由がよくわからなかったが、今回それがわかってしまった。
そしてまったくもって許せないコトとして認識が変わった。
イカって八つ当たりしてしまった…。
そのスタンドには、例の張り紙（携行缶には給油しないでくれっていうやつね）が貼って無かった。
世間では張り紙も2種類あって、店によって曰く店員が入れるから自分でいれないでくれ、というのと、店員の教育をしてないから店員も入れられないので他へ行け、というのがある。
件の昭和シェルは後者のほうであったらしい。
張り紙が見当たらないから、「おおよしよし」で早速携行缶に給油したのだ。
ノズルを携行缶に突っ込み、暫くすると店主らしき親父がやってきた。
「お客さんスイマセン、携行缶には給油できないんですよう」
その時点ではわたくしは至って素直で、それはすまんかったのう、という気持ちであった。
「警察や消防の方から指導を受けてますんで、とりあえず止めますね。プチ」
あろうことか、途中で給油途中で機械を止めやがった。
この時点では、わたくしはまだ冷静であった。
「警察や消防はあんたのとこの営業を妨害しているようなもんだね。ガソリンを携行缶で買うユーザは確実にいるので、ここは一つ店長、ユーザーの利便性を鑑みて携行缶に入れても安全な機械とかを開発するように元売とかポンプのメーカや業界団体などに働きかけてくれ」
「いや警察や消防から指導をいただいていまして、一度入れさせてしまうと、次々とそういうお客がきてしまうんで、すいませんねえ止めさせていただきました。一度くらいいいだろうと許しているとあとで警察や消防からキツク指導を受けてしまうのです。ですからお客さんすいませんねえ」
ここでわたくしはアサハカなれどキレた。そんな言い方があるか。
「俺はガソリンを買いにきたのだ。ガソリンスタンドはガソリンを売るのではなかったか。俺はこれから畑に行って耕運機を動かさなきゃならない。耕運機はガソリンで動く。だからガソリンが必要なのだ。俺はガソリンを買いにきた。買ってはならんのならどこで買うのだ。ここはガソリンを売る店ではないか」
「セルフのところは警察や消防の指導で携行缶には給油できません。給油したければ店員さんが給油するフルサービスの店で買うしかありませんねえ」
アタマに血がのぼって若干くらくらした。
「アナタがガソリンを売りたくないのはわかった。しかし携行缶に何故給油してはならんのか。警察や消防はなんといっていたのか」
「最近悪い人がふえているじゃないですか。携行缶だとガソリンをもっていって悪いことに使うかもしれないんですよ」
わたくしは怒りで視界が狭まった感じがした。
「そんなもんクルマのタンクに給油したって同じじゃねえか。携行缶持ってるやつは皆テロリストだとみなしてんのか」
「知らないんですか。クルマのタンクからは油は抜けないんですよ」
「抜けるよ。俺軽トラから抜いて草刈り機につかったもん。だからさあ携行缶は悪なのかって訊いてんだよ！」
あそこのシェルにはもう二度といかない。
イカってしまって嫌な客になってしまったのは失敗だったが、クソスタンドのクソ店長にご指導されている警察や消防に訊いてみたい。
農家の人や工事の人は携行缶にガソリンを買わないと仕事にならない。
コスト削減の為に、フルサービスのスタンドは、セルフ式にどんどん転換している.フルサービスの店は圧倒的にすくなくなった。
セルフの店では、警察や消防の指導を受けるくらいなら農家の人や工事の人を切り捨ててもやむなし（というか前述のバカ店長は積極的に来てほしくないっていう顔をしてたぞ）ということなんだろう。警察や消防は間接的に農家や工事の人の仕事を妨害しているのだ。あるいは農家や工事の人を潜在的な脅威（テロリスト）とみなしているということと同じだぞ。
法律できまってるって言ったって、車のタンクに給油するのと携行缶に給油するのでは、何が具体的に違うのか。
そして果たしてさあ、セルフのスタンドで携行缶の給油を禁止したってさあ、火ぃつける奴を阻止できるんだろか？
火ィつけようとしてる奴はフルサービスの店で店員と顔つきあわせてガソリン買ったって悪さするべ。
セルフのスタンドでは監視カメラで見張っているんでしょう。同じコトだとおもうけどな。
実際にはどんな効果があるともしれない指導を行って、農家などの業務を妨害している警察や消防。
ああなんて不自由なんだ。
これはでも実は、安心安全を過剰に求めてるワタクシたちの所為なんだぜ。
ワタクシたちが安心安全を求めればもとめるほど、監視や統制が厳しくなっていき、自由が減っていく。
ワタクシは、ガソリンスタンドでキレて、そのことをリアルに感じたのである。
安心安全のファシズムめ、許せん！
--kata
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